平成26年4月に改正雇用保険法が施行されました。これに伴い、特定受給資格者の判断基準についても、追加が行われました。離職者が高い関心を持つと予想されますので内容をとり上げておきましょう。

1.所定給付日数を決定する離職者の区分

雇用保険の失業に関する給付でもっとも中心的な役割を果たしているのは、失業した際に受給することができる基本手当です。

基本手当に関しては、被保険者であった期間および離職理由等により、所定給付日数や給付を受けられる期間(給付制限)の有無など取扱いが異なります。

そのうち、所定給付日数の区分は大きく3つに分かれており
①定年・自己都合等の理由で退職した一般の受給資格者
②障害者等の就職困難者
③倒産・解雇などにより再就職の準備をする時間的余儀なく失業した特定受給資格者となっています。

また、これらの区分のほかに、有期労働契約者が雇止めとなり離職した場合等に該当することとなる特定理由離職者もあり、現在、一部の特定理由離職者は特定受給資格者と同様に取り扱われることになっています。

2.特定受給資格者の判断基準の追加点

今回、特定受給資格者の判断基準に以下の2点が追加されました。

①賃金の支払が遅れたことによるもの

賃金(退職手当を除く)の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった月が引き続き2ヶ月以上となったことに加え、支払期日までに支払われなかった月が、離職の直前6ヶ月の間に3月あったことにより離職した者が追加。

②長時間労働によるもの

離職の直前6ヶ月のうちに3月連続して45時間あったため離職した者に加え、離職の直前6ヶ月のうちに1ヶ月で100時間または2ヶ月から6ヶ月平均で月80時間を超える時間外労働が行われたため離職した者が追加

この特定受給資格者に該当することで、所定給付日数が一般の受給資格者と比較して長くなったり、給付制限がなくなったりすることになっています。

3.離職者の区分の判断方法

離職者がいずれの区分に該当するかの判断は、離職票に記載された離職理由により、最終的に給付を受ける離職者の住所地を管轄する公共職業安定所が行うことになっています。

一般的には事業主が離職票に記載した理由で判断されますが、事業主と離職者が主張する離職理由に食い違いがある場合には公共職業安定所が、両者からヒアリング等を行うことで判断します。
その際には、離職票発行時に提出しなかった離職理由の根拠となった資料の提出を求められることもあります。

今回、「長時間労働によるもの」が追加されたことを考えると、近年、ますます関心が高まっている過重労働問題への対応と見ることができるでしょう。

そもそも長時間労働を防止していくことが重要ですが、退職者には本当の退職理由を確認し、適切な手続きを行うとともに、日ごろの労務管理に役立てていきましょう。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。