雇用保険に加入していた従業員が退職する際には、退職者本人に離職票の交付が必要かを確認し、必要な場合にはハローワークで手続きを行うことになります。年度末に向けて一般的に退職者も増えることから、今回はこの離職票の手続きおよびその流れについて解説することとします。

1.離職票の交付の希望有無と届出

従業員が退職する際には、まずは離職票の交付の希望を確認します。交付を希望するときには、資格喪失届とともに3枚複写となっている離職証明書(3枚目が本人交付用の離職票となります)を事業所の所轄ハローワークに届け出ます。この離職証明書には、離職年月日や失業給付(基本手当)の計算の基礎となる在職時の賃金額等の他、離職理由を記載することとなっています。ハローワークでは、事業主が記載した離職理由について、退職届等の客観的資料等に基づき、離職理由を確認します。

離職票の提出期限は、被保険者でなくなった日の翌日から10日以内となっています。なお、交付を希望しない場合には、資格喪失届のみの届出となります。

2.離職票交付後の流れ

ハローワークでは離職票を事業主に交付し、事業主は退職者に離職票を渡すこととなります。その上で、退職者本人が自分の住居を管轄するハローワークに出向き、失業給付にかかる受給資格の決定を受けることになります。失業給付は、働く意思と能力がある人に対して支給されるため、ここで求職の申込みを行う必要があります。

なお、ハローワークで提出された離職票については、事業主が記載した離職理由について、退職者の異議があるかないかの確認が行われます。事業主が記載した離職理由に異議があるときは、必要に応じ、事業主に確認が行われ、ハローワークが離職理由を判断することになります。

3.離職理由と離職区分

退職者に交付される離職票には、以下の離職区分が設けられており、離職理由によっていずれかに分類されることになっています。

  • 1A 解雇(1B及び5Eに該当するものを除く。)
  • 1B 天災その他やむを得ない理由により事業の継続が不可能になったことによる解雇
  • 2A 特定雇止めによる離職(雇用期間3年以上雇止め通知あり)
  • 2B 特定雇止めによる離職(雇用期間3年未満等更新明示あり)
  • 2C 特定理由の契約期間満了による離職(雇用期間3年未満等更新明示なし)
  • 2D 契約期間満了による退職(2A、2B又は2Cに該当するものを除く。)
  • 2E 定年、移籍出向
  • 3A 事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職
  • 3B 事業所移転に伴う正当理由のある自己都合退職
  • 3C 正当な理由のある自己都合退職(3A、3B又は3Dに該当するものを除く。)
  • 3D 特定の正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間6ヶ月以上12ヶ月未満)
  • 4D 正当な理由のない自己都合退職
  • 5E 被保険者の責めに帰すべき重大な理由による解雇

これらの離職区分により、失業給付の所定給付日数や、一定期間失業給付を受けることのできない期間(給付制限期間)が設定されるため、ハローワークによる離職理由の確認は慎重に行われます。

4.待期と給付制限

失業手当を受給するための手続きが完了すると、その後、原則として28日に1回、失業給付を受けるために退職者はハローワークに出向くことになりますが、離職区分に関わらず手続き完了後から7日間は失業給付が支給されません。これを「待期」と呼んでいます。この待期満了後、正当な理由のない自己都合により退職した人や懲戒解雇で退職した人は、さらに3ヶ月間、失業給付が支給されない給付制限期間が設けられます。

5.受給期間の延長

失業給付は原則として、離職した日の翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日)に受給する必要があります。ただし、その間に病気、けが、妊娠、出産、育児等の理由により引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その働くことのできなくなった日数について、受給期間を延長することができます。そして、その延長できる期間は最長で3年間となり、最大限で4年間となります。延長は自動的に行われるわけではなく、手続きが必要となるため、該当する場合には漏れのないようにしましょう。

■参考リンク
ハローワークインターネットサービス「基本手当について」

https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。