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デジタル給与の解禁に向けて
2022.12.23
こんにちは、中小企業サポートセンターの西岡です。
今日は給与のデジタル払いについて、その前提と大きな流れについて確認していきます。
給与のデジタル払いとは?
少し前の話になりますが、9月11日の日経新聞1面に「デジタル給与、来春にも」という記事がありました。政府は給与をデジタルマネーで受け取る制度を2023年春にも解禁する方向で最終調整するとのことでした。
そして2022年10月26日、厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)分科会が、給与をデジタルマネーで支払う制度の導入を盛り込んだ労働基準法の省令改正案を了承しました。これにより、23年4月から労働者側の同意がある場合などに限り、企業側はデジタルマネーでの給与の支払いが可能になります。
PayPayや楽天ペイ等のスマートフォン決済アプリ口座に直接入金出来るようになり、日常の買い物にもそのまま使えることはもちろん、銀行口座を持たない外国人労働者にとっても便利な流れになります。
もともとは2020年にも同様の話があったものの、審議会等の意見がまとまらずその後も検討を続けてやっとここまでたどり着いたという感じでしょうか。
労働基準法はいまだ賃金は現金で直接支払うことを原則としており、労働者が銀行口座を会社に提出することにより同意を得て振込を認めている状況です。厚生労働省は省令を改正して決済アプリへの入金を認めていくようです。
世の中の環境は?
給与とは少し話が逸れますが、日本人のキャッシュレス決済比率は2020年に30%程度で50%を超える英米や中国・韓国とは大きな差がある状況です。
世界に遅れを取っている日本のキャッシュレス化を推進していくためにも、国としては是が非でも実現したい施策です。
利用を推進するためにも労働者保護のための要件は厳格に設定され、業者の財務状況確認や口座残高の上限を100万円として業者が破綻してもそのお金が保証される制度を義務付けたりしながら要件を満たす業者を指定していきます。
実務者としては便利なシーンが多く想定されてとても歓迎すべき内容かと思いますが、実際の入金データ等はどう作るのでしょうか?
とても楽しみで便利なことも多くあると思いますが、便利すぎてトラブルにならない様に支払う側も受け取る側もルールを理解して取り組む必要がありそうです。
メリット・デメリットにつきましては、また別の機会に考察できればと思います。
本件に関することや労務・人事に関するお困り事については、中書企業サポートセンターまで気軽にお問い合わせくださいませ。
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