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同一労働同一賃金とは

2021.01.17

人事 法律関連 組織管理

日頃より大変お世話になっております。
中小企業サポートセンター/人事コンサルタントの奥田です。

今回のテーマは「同一労働同一賃金」に関してです。
大手企業は「同一労働同一賃金制度」が2020年4月から適用されました。そして中小企業は2021年4月より適用されます。

働き方改革の一つである「同一労働同一賃金」とは、一体なんなのでしょうか。
何となく言葉の意味は分かっていても、誰かに説明するとなると出来ないという方も多いと思います。
今回はそんな「同一労働同一賃金」がどういうものかを解説していきたいます。

同一労働同一賃金とは

ズバリ同一労働同一賃金とは、 “同じ職務内容であれば、同じ額の賃金を従業員に支払う “ という制度です。

ではなぜ、このような制度がつくられたのか。
その理由は“正規雇用社員と非正規雇用社員の待遇格差の解消”のためです。

厚生労働省が公式に発表している内容は下記です。
===
同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにします。
===

引用:厚生労働省 同一労働同一賃金特集ページ

また、厚生労働省はいかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのかを示している同一労働同一賃金ガイドラインを発表しております。
同一労働同一賃金ガイドライン

「同一労働同一賃金」は働き方改革の中でも非常に重要な立ち位置

働き方改革を進める理由の一つは、日本の労働力人口の減少に対する対策です。
少子高齢化による労働力人口の大幅な減少は日本経済に大きな影響を与え、日本の国自体を弱体化させてしまう可能性を含んでいます。

そこで、例えば働く女性や高齢者、障害者、外国人などの雇用を促進する動きや、育児や介護などそれぞれのライフスタイルの変化に合わせながら働ける環境づくりが必要とされています。

そしてその中でも重要な位置づけで打ち出された施策が同一労働同一賃金という訳です。
(大手企業は2020年4月から、中小企業は2021年4月1日から)

企業では、正社員、契約社員、パートタイム、派遣社員など、雇用形態の異なるスタッフが同じ職場で働いていますが、同様の仕事をしていたとしても、支払われる報酬や待遇は雇用形態によって異なっているのが実情です。
例えば飲食店舗で、長年働いているアルバイトスタッフより、入社してすぐの正社員の方が賃金が高いなんてこともよくある例かと思います。

そういった待遇格差を解消するために同一労働同一賃金を施行し、雇用形態によってアンフェアがない職場環境をつくることで、すべての人が自身に合った柔軟な働き方を選択できるようになるとされています。

雇用形態によって待遇格差があるのは日本だけ?

では諸外国では正規雇用社員と非正規雇用社員で待遇格差がないのか。

平成27年度年次経済財政報告

正社員と非正社員の賃金格差は、1時間当たりで日本が60%弱なのに対し、欧米平均は81.5%と、日本国では厳しい格差がうかがえます。
これに対し政府では、欧米並みの水準にまで引上げていきたいという事です。
合理的ではない待遇差の現状を改め、非正規雇用労働者の雇用状況を改善することが、早急な政策課題となっているのです。

「同一賃金同一労働」はこれからどうなる?

2020年4月に法改正があり、パートタイム・有期雇用労働法が施行されました。
そして今後今まで以上に非正規雇用社員を保護する法案が施行されると考えられます。

企業側の対策としては、同一労働同一賃金の概念に沿った制度設計が必要になります。

具体的には、下記のような内容が法案に盛り込まれています 。
・不合理な待遇差の禁止
・労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
・行政による事業主への助言・指導
・裁判外紛争手続きの整備など

原則として働き方を問わず、同一労働であれば、同一賃金を支払うべきとなるのです。
そして、もし待遇差がある場合は、その待遇差を合理的に説明できる状態にしておかなければならないという訳です。

最後に

同一労働同一賃金の浸透とともに、労働契約法・パートタイム労働法・労働者派遣法なども随時改正していくことが予想されます。 パートタイマーや有期契約労働者にとっては働きやすくなる半面、企業にとっては逆風になる可能性もあるかもしれません。

引き続き情報発信していきたいと思います。
今後とも何卒宜しくお願い致します。
中小企業サポートセンター
人事コンサルタント
奥田

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