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学生の8割以上が参加!インターンシップの準備を始める【プログラム編】
2021.07.28
日頃より大変お世話になっております。
中小企業サポートセンター/採用コンサルタントの田中です。
大学3年生の夏、サマーインターンシップが本格的にスタートする時期が近づいてきました。
前回は<#3 学生の8割以上が参加!インターンシップの準備を始める【基本編】>として、インターンシップに関する基本や種類についてお伝えしてきました。
記事: 学生の8割以上が参加!インターンシップの準備を始める【基本編】
インターンシップの基本やトレンドを理解し、実際にインターンシップ活動に取り組むことになったら、まず採用担当者の頭を悩ませるのが「プログラム」ではないでしょうか?
ここでは、インターンシップの基本を理解したうえで、では実際にどのようにしてインターンシップのプログラムを作っていくのか?採用担当の視点から、インターンシッププログラムの作り方やポイントについて触れていきたいと思います。
インターンシップの対象と目的を決める
インターンシッププログラムを作るにあたって大切なことは、自社のインターンシップにおける「対象」と「目的」をきちんと決めておくことです。
自社のインターンシップでは、どういった学生を対象にしているのか、求める人物像(採用のペルソナ)や学部学科・専攻など、どんな学生を対象にしているかを明確にするようにしましょう。
そして、その「対象」を明確にした上で、インターンシップを通してどんな効果や成果を出したいのかという「目的」を定めましょう。自社や参加してくれた学生にとってのメリットは何か、インターンシップ終了後にどういう気づきや発見を与えたいのか、どういうアクションを起こしてもらうのかを明確にしておきましょう。
インターンシップは、参加してくれた学生がプログラム終了後に「楽しかった」「勉強になった」といった感想を抱いてもらうだけでは、そのインターンシップの開催は成功だったとは言えないのです。
なぜなら、そのインターンシップは多くの企業、同業他社で開催されているものの1つに過ぎず、準備・計画から開催まで多くの時間と労力をかけたにもかかわらず、その後の選考活動や自社の採用活動につながらなくなってしまうからです。
せっかくインターンシップを開催するからには、「対象」となる学生に対して、どれだけ他社との差別化を図るか、自社の特徴をうまく伝えたり、学生の成長につなげる・印象に残るプログラムにして、自社への志望度醸成につなげるなど「目的」を達成するためのプログラムを作っていきましょう。
インターンシッププログラムを作る
インターンシップの「対象」と「目的」が明確になったら、いよいよ具体的なプログラムの構築です。
まずは自社の特徴や事業内容から、どういったことを参加者に伝えられるかをできるだけたくさん書き出してみましょう。プログラム構築のコツは、企業側から一方向の説明で終わるのではなく、双方向のコミュニケーションになるようなコンテンツも取り入れることです。
自社でできるコンテンツがある程度洗い出せたら、それを具体的にスケジュールに落としていきます。コンテンツの洗い出しが難しかったり、どういった全体スケジュールにしたらいいのか悩んだら、以下のインターンシッププログラムのパターンから検討してみましょう。
インターンシッププログラムは5つのパターンに分けることができます。自社の「対象」と「目的」、そして自社の特徴や伝えたい内容からどういったプログラムが実施できるか、どういったプログラムがいいのかを見極めて作り込んでいきましょう。
パターン① 会社・仕事見学型インターンシップ
参加してくれた学生に、業界や会社の説明を行って、職場や作業場などの見学や、仕事内容に触れてもらうプログラムです。
普段の仕事の一部をそのままインターンシップのプログラムに転用できることもあり、開催のハードルが一番低いインターンシッププログラムのパターンとも言えるでしょう。
パターン② グループワーク型インターンシップ
業界の概要や自社の事業内容に合わせた内容のグループワークを行うプログラムです。テーマや発表形式などを指定し、インターンシップの最後に学生が個人・チームでテーマについてのディスカッションやプレゼンテーションを行います。
この2つでは、自社のことを理解してもらいながら、魅力や同業他社との差別ポイントを伝えることができ、実際に働くスタッフとも触れ合えるプログラムにすることで、自社への惹きつけレベルを上げていきましょう。
学生と一緒にディスカッションや作業する時間を設けたり、社長から直接話をするなどの時間を設定できれば、より一層会社への理解度が高まります。
パターン③ 業務体験型インターンシップ
アルバイトや通常の会社見学などではできないような業務の体験を通して、仕事への理解を深めるプログラムです。体験型インターンシップのあとには、学生の気づきの共有から、活躍している社員からフィードバックを行い、学生の成長につなげられるような形を取ることができるので、仕事を通してどういった成長や達成感を得られるのか、働くイメージを持たせることができます。
ただし、この業務体験が実際の業務活動として利益を生む「労働」となる場合には、参加者は労働者とみなされるため、賃金が発生します。無償インターンシップでは「労働」にあたらないかどうか、必ず確認するようにしましょう。
また、移動や作業現場など危険が伴う、または可能性がある場合には、必要な保険に入る・同意書を書いてもらうなどの準備も忘れずに行いましょう。
パターン④ 課題解決型インターンシップ
企業や業界が直面している課題について、その解決のために学生が主体となって解決策を検討・実行するインターンシップです。学生が入社後に取り組むことになるであろう課題について体験することができ、スタッフや経営者からのフィードバックを行うことで、学生へ会社の存在意義やビジョンを改めて伝えることができます。
パターン⑤ 事業参加型インターンシップ
実際に進行しているプロジェクトや、新規事業の立ち上げなどに参加してもらい、企業の一員としてプロジェクトの企画立案・運営に関わってもらいます。ある程度の企画や運営は参加する学生に任せ、実際にいいプロジェクトは本格的な事業として立ち上げるなど、大きな責任とやりがいが伴うインターンシッププログラムのパターンです。
この3つでは、学生に自社を理解してもらうと言った段階からもう1ステップ上がって、自社の一員としてどう成長するか、どういったやりがいを感じるかといったプログラムとなります。また、テーマの設定によっては、マーケティングとして学生の意見を集めることもでき、採用活動や事業内容に活かすこともできるようになります。
インターンシップを成功に導くためには、1つのプログラムだけで終了するのではなく、いくつかのプログラムを組み合わせて行うことで、会社や業界への理解だけにとどまらず、自社への志望度醸成や今後の選考フローにつなげやすくなるものです。
まずはパターン①や②などから始まり、段階的に③〜⑤のプログラムを開催して、「対象」となる学生に参加してもらい「目的」を達成できるように構築していきましょう。
インターンシッププログラムのチェックをしよう
インターンシッププログラムやスケジュールができたら、その内容で大丈夫か?チェックをしましょう。プログラムを作る上では、いろいろな考えが出てきて、実際に出来上がった内容では当初の目的から外れてしまっていることも少なくありません。
基本的な5つのチェックリストで、インターンシッププログラムを精査します。
□ 「対象」と「目的」は明確になっていますか?
□ フィードバックや成長につながる機会など、参加者の印象に残る内容は用意できていますか?
□ 同業他社との違いや、自社の魅力・特徴を伝えることはできますか?
□ 学生が入社して働くイメージを持てる内容になっていますか?
□ 危険や労働を伴う内容になっていませんか?(必要な契約・保険の準備はありますか?)
上記のチェックをクリアできていれば、まずはインターンシッププログラムの作り方としてはクリアです!
あとは実際に運営して改善を重ねていきましょう。
最後に
今回はインターンシッププログラムの作り方やポイントについてお伝えさせていただきました。
多くの企業がインターンシップに取り組む中では、なかなか差別化していくことも難しくなってきています。まずは、しっかりと自社の魅力や特徴を「対象」に伝えられるプログラム作りから始めてみるといいかもしれませんね。
少しでもみなさまの新卒採用・インターンシップ活動の成功につながれば嬉しく思います。
さらに詳しく聞きたい、ご興味がある方はぜひお問い合わせくださいませ。
中小企業サポートセンター
田中
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